腸閉塞
腸閉塞とは
口から摂った食物は消化管を通りながら消化液と混ざって分解・吸収され、残った物が大便として肛門から排泄されます。この食物と消化液の流れが小腸や大腸で障害された状態を腸閉塞(イレウス)といいます。
腸閉塞の分類
*機械的腸閉塞
腸が物理的な原因で詰まってしまうもの。
- 単純性腸閉塞:手術後の癒着(ゆちゃく)、腫瘍、食物、異物などで腸の内腔が狭くなった状態。
- 複雑性性腸閉塞:腸が詰まると同時に腸の血行が障害される状態で、放置すると腸が腐ってしまいます。索状物による締め付け、腸重積、腸捻転、ヘルニアの嵌頓(かんとん)など。
緊急手術が必要になります。
*機能的腸閉塞
腸の動きが障害されるもの。
- 麻痺性腸閉塞:腹部の手術後や腹膜炎などで腸の動きが止まる状態。
- 痙攣性腸閉塞:薬物や精神的な問題で腸が痙攣する状態。
腸閉塞の症状
嘔気・嘔吐、腹部膨満感、腹痛、「おならの停止」などがみられます。
腹痛は強くなったり、弱くなったりを繰り返すことが多いです。
腸閉塞の治療
*保存的治療
絶飲食、点滴
「イレウス管」という管を鼻から腸まで挿入して、腸の内容物を吸引します。
*手術治療
1週間程度の保存的治療で良くならない場合や、繰り返す腸閉塞が手術の適応になります。
絞扼性腸閉塞が疑われれば緊急手術になります。
癒着をはずすだけの手術や腸切除が必要なこともあります。