消化管穿孔
消化管穿孔とは
消化管穿孔は胃、腸の壁がなんらかの原因で穿孔(穴があいた)した状態のことです。消化液や消化中の食べ物、便、空気などが穿孔した場所から腹腔内へ漏れ出します。これらにより炎症を起こして激しい痛みを伴い、腹膜炎に進行するため早急な治療が必要になります。
消化管穿孔の症状
突然の腹部激痛が生じます。
どの消化管が穿孔したかによって疼痛部位は異なります。
腹膜全体に炎症が及ぶと腹部全体に強い痛みが生じ、炎症で腹部が硬直した状態になります。
消化管穿孔の原因
*上部消化管穿孔
十二指腸潰瘍や胃潰瘍、胃がんなど
*下部消化管穿孔
大腸憩室、便秘、大腸がんなど
*異物、腹部の外傷、内視鏡などの医療行為の場合もあります。
消化管穿孔の治療
腹膜炎が腹部全体に及んでいる場合は、発症後8時間以内に緊急手術を行うことが推奨されています。
*上部消化管穿孔
保存的治療(絶飲食、抗生剤)または緊急手術。
*下部消化管穿孔
憩室炎で炎症が限局している場合にかぎり保存的治療。ほとんどの場合は緊急手術を行います。
下部消化管穿孔は死亡率の高い病気で、術後は集中治療を要することが多い。
重症度にもよりますが、2週間から1か月程度の入院が必要です。