外科

外科の紹介

当院外科では,消化器外科,乳腺外科,一般外科領域の診療を行っています.

最も手術の多いのは消化器疾患(胃,大腸,肛門,肝臓,胆嚢,膵臓)です.鼠径ヘルニア(脱腸),肛門疾患(いぼ痔,切れ痔,痔瘻)などの良性疾患,急性虫垂炎や腸閉塞などの腹部救急疾患,近年増加傾向のがん・悪性疾患など幅広く対応しています.

診療体制

2018年10月現在,6名の常勤医師,1名の嘱託医師により診療を行っています.この他,名古屋大学医学部付属病院 乳腺・内分泌外科 武内 大医師の支援のもと乳腺領域の診療を行っております.肛門疾患については, 野垣クリニック副院長 野垣岳志医師の協力を得て,年間200件以上の手術を行っております.

医師写真

チーム医療

当院では手術の前には,消化器内科と外科との合同カンファレンスで患者さんの診断や治療方針の決定を行っています.外科医だけで治療方針を決定しないため,「本当に手術が必要か」,「手術以外の方法がないか」などについても十分議論されます.

また近年,医療の高度化・細分化が進んでおり,特にがん治療ではそれが顕著になってきています.主治医だけでは患者さん一人一人の状態を完全に把握し対応することは困難です.そこで重要なのが「チーム医療」で,主治医を含めた外科医のチーム・看護師・薬剤師・リハビリ・ソーシャルワーカーなどの多くの職種が連携して,それぞれの患者さんに対してきめ細かい治療を提供できるように努めています.

安全な手術のために

当院では手術の安全性を向上させるため,2017年より全科合同カンファレンスを行っています.これは,麻酔科医師・外科系医師(外科医,整形外科医,泌尿器科医),手術室看護師が一堂に会し,全身麻酔が必要なすべての患者さんについて手術が安全に行えるのかを術前に評価するものです.この取り組みにより,リスクの高い患者さんを事前に拾い上げ,あらかじめ対策を講じることができるようになりました.

スタッフ紹介

職名 氏名 卒年 所属学会 認定資格
名誉院長 原 春久 1971年 名古屋大学 日本外科学会 日本外科学会 外科専門医・指導医
嘱託医員 加藤芳司 1976年 名古屋大学 日本外科学会
日本乳癌学会
日本外科学会 外科専門医・指導医
日本乳癌学会 乳腺認定医
検診マンモグラフィ読影認定医
部長1 中澤幸久 1991年 浜松医科大学 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本大腸肛門病学会
日本消化器内視鏡学会
日本癌治療学会
日本外科学会 外科専門医
日本消化器外科学会 認定医
日本大腸肛門病学会 大腸肛門病専門医
日本消化器内視鏡学会 専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
部長2 加藤哲也 1997年 富山大学 日本外科学会
日本内視鏡外科学会
日本癌治療学会
日本消化器外科学会
日本臨床外科学会
日本外科学会 外科専門医
日本内視鏡外科学会 技術認定医(大腸)
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
医長 池田耕介 2003年 三重大学 日本外科学会
日本癌治療学会
日本消化器外科学会
日本内視鏡外科学会
日本胃癌学会
日本外科学会 外科専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
医長 永田雅人 2007年 東海大学 日本外科学会
日本癌治療学会
日本臨床外科学会
日本内視鏡外科学会
日本腹部救急学会
日本外科学会 外科専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
2018年4月より
静岡がんセンターに出向研修中
医員 岩井周作 2010年 香川大学 日本外科学会
日本癌治療学会
日本臨床外科学会
日本医癌学会
日本腹部救急学会
 
医員 南 雄介 2016年 埼玉医科大学 日本外科学会  

年度別診療実績(2013-2017)

    2013 2014 2015 2016 2017
悪性 31 32 30 31 36
大腸 105 89 87 62 80
肝胆膵 12 16 14 11 10
1 0 0 0 0
乳腺 20 23 20 16 21
甲状腺 4 2 2 1 1
その他 1 2 6 5 4
小計 174 164 159 126 152
良性 急性虫垂炎 62 43 40 44 36
鼠径ヘルニア 57 76 60 49 57
胆石症 62 60 70 91 71
肛門疾患 241 267 275 234 227
9 3 1 0 0
その他 129 115 100 138 137
小計 560 574 546 556 528
  合計 734 738 705 682 680

治療内容

良性疾患

鼠径ヘルニア,胆石症,良性の皮下腫瘍,肛門疾患などに対して手術を行っています.

特に肛門疾患は野垣クリニック(http://www.nogaki.or.jp/) 副院長 野垣岳志医師の協力を得て,年間200件以上の手術を行っています.従来の内痔核(いぼ痔)の手術は術後の出血や痛みなどの合併症が問題とされていますが,当院では痔核硬化療法(ALTA療法) (http://zinjection.net/)と従来の手術を組み合わせることで,従来の手術よりも術後の出血や痛みが少なくなり,入院期間も短縮しております(従来の手術:9日間→ALTAを併用した手術:3日間).

救急疾患

急性虫垂炎,消化管穿孔,腸閉塞など緊急手術が必要な病状を急性腹症といいます.当院では365日,24時間体制で急性腹症に対応しています.

緊急手術の時間帯別の集計 (2014-2015)

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がん治療

高齢化によりがんは日本人の死亡原因の第1位となっており,がん治療には特に力を入れて取り組んでいます.当院では,食道癌を除くすべての消化器癌(胃癌,十二指腸癌,小腸癌,大腸癌),肝臓癌,胆道癌(胆嚢癌,胆管癌),膵臓癌,乳癌の手術を行っています.呼吸器癌は名古屋大学医学部付属病院 呼吸器外科と連携して診療を行っています.診療に際しては,「がん診療ガイドライン」に沿った「標準治療」を提供できるように努めております.

・内視鏡治療 ( EMR,ESD )

リンパ節転移のないごく早期の食道癌,胃癌,大腸癌は内視鏡治療で根治可能です.当院でも,消化器内科が積極的に内視鏡的治療を行っています.→詳しくは消化器内科のページへ

・手術療法

内視鏡治療の適応のない場合は手術を行います.手術の方法は開腹手術と腹腔鏡手術の大きく2つの方法があります.

開腹手術:従来からある手術方法です.しっかりと病変を切除することができ,現在でも標準治療とされています.一方,傷が大きく,術後の痛みが強いため術後は硬膜外麻酔(神経ブロック)を併用します.

腹腔鏡手術:5~10mmのカメラを体内に挿入し,モニター画面を見ながら特殊な手術器械を使用して手術を行う方法です.手術内容は開腹手術と同等ですが,傷が小さく術後の痛みが少ない,術後の癒着が少ないなどのメリットがあります.しかし,モニター画面を見ながらの手術であるため特殊な技術が必要である,手術時間が開腹手術と比較して少し余分にかかるなどのデメリットもあります.当院では日本内視鏡外科学会の技術認定医を中心に,良性疾患の胆石症だけでなく胃癌,大腸癌などの悪性疾患でも腹腔鏡手術を行っています.しかし,すべての患者さんが腹腔鏡手術を受けられる訳ではありません.手術で大切なのは『安全に手術できること』,『確実に病気を治療すること』です.当院では,腹腔鏡手術のメリットを十分活かせる患者さんに適応をしぼって腹腔鏡手術を行っています.

・抗癌剤治療

抗癌剤治療はその目的により大きく2つに分けることができます.

  1. 補助化学療法:手術の前後に補助的に抗癌剤治療を行う方法で,手術単独で治療するよりも根治する可能性を上乗せしたり,切除する範囲を縮小させるために行う方法です.
  2. 進行・再発癌の化学療法:切除不能な癌や再発した癌は根治することが極めて難しく,通常は手術が治療方法の第一選択となることは少なく抗癌剤治療を行うことになります.
    しかし,近年,分子標的治療薬などの新しい有効性の高い薬剤の開発により,切除できなかった癌が,抗癌剤治療が効いて縮小し手術が可能となる場合もあります(コンバージョン治療).

抗癌剤治療を行う上で大切なことに副作用対策があります.当院では看護師・薬剤師・医師によるチーム医療で,副作用の予防,副作用の早期発見・早期治療を行っています.

・患者会

協立総合病院には患者さんが運営する消化器がん患者会「暖流の会」,乳がん患者会「たんぽぽ会」があります.私たちは患者さん向けの勉強会を開いたり,患者会の旅行に参加したりする形で患者会の活動にも参加し,がんサバイバーシップの支援を積極的に行っています.

・治療成績

胃癌5年生存率(2007年~2016年,287症例)

胃癌5年生存率

結腸癌5年生存率(他病死の影響を調整)(2009年〜2013年,259症例)

結腸癌5年生存率

直腸癌5年生存率(他病死の影響を調整)(2009年〜2012年,129症例)

直腸癌5年生存率

原発性肝癌切除後の5年生存率61.3% 大腸癌肝転移切除後の5年生存率41.5%

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・緩和ケア治療

当院には「緩和ケア病棟」があり,主にがんの終末期の患者さんが療養されています.

しかし,がんの治療中には終末期でなくてもさまざまな苦痛があるといわれています.当院には緩和ケア医師,緩和ケア専門看護師,薬剤師などによる「緩和ケアチーム」があり,緩和ケア病棟に入院していない患者さんに対しても,外科主治医と協力しながら患者さんの苦痛に対応しています.→詳しくは緩和ケアのページへ

緩和外来受診者数

 

緩和ケア病棟入院数

学術活動

学会発表(2013年~2017年)

TS-1を中心とした化学療法によりCRとなり7年生存中の非切除胃癌の1例 第85回日本胃癌学会 2013 中澤幸久
イレウスを繰り返す小腸子宮内膜症の一例 第49回日本腹部救急医学会 2013 永田雅人
診断に難渋した魚骨によるS状結腸穿孔の一例 第50回愛知臨床外科学会 2013 岩井周作
救命しえた肝膿瘍穿破の1例 第50回日本腹部救急医学会 2014 岩井周作
再々発した膀胱破裂の1例 第278回東海外科学会 2014 中澤幸久
TIAと開腹手術を行った脾動脈瘤破裂の1例 第6回Acute Care Surgery学会 2014 中澤幸久
膵頭十二指腸切除を施行した胃小細胞癌の1例 第76回日本臨床外科学会 2014 中澤幸久
腎細胞癌胆嚢転移の1例 第76回日本臨床外科学会 2014 池田耕介
非外傷性脾破裂をきたした悪性リンパ腫の1例 第51回日本腹部救急医学会 2015 中澤幸久
抗悪性腫瘍製剤による薬剤性肺障害症例10例の検討 第53回日本癌治療学会 2015 中澤幸久
結腸切除を行った盲腸軸捻転の一例 第43回愛知臨床外科学会 2015 岩井周作
cStage I 胃癌に対する腹腔鏡下幽門側胃切除術の短期成績と患者要因の検討 第28回日本内視鏡外科学会 2015 池田耕介
大腸穿孔を契機に診断された早期胃癌大腸転移の1例 第77回日本臨床外科学会 2015 池田耕介
緊急手術を行った大網出血の2例 第77回日本臨床外科学会 2015 中澤幸久
当院における大腸癌卵巣転移切除症例5例の検討 第54回日本癌治療学会 2016 中澤幸久
皮下及び仙骨前にepidermoid cystが併存した1例 第71回日本大腸肛門病学会 2016 中澤幸久
十二指腸憩室穿孔と思われた1例 第78回日本臨床外科学会 2016 中澤幸久
緩和ケア外来へ紹介となった後にがんに対する積極的治療を行った症例の検討 第55回日本癌治療学会 2017 中澤幸久
胃癌狭窄に対する金属ステントが逸脱した2例 第293回東海外科学会 2017 中澤幸久
虫垂出血の1例 第293回東海外科学会 2017 加藤哲也
乳癌AC療法後に著名な低Na血症による意識混濁・痙攣発作を呈した一例 第293回東海外科学会 2017 永田雅人
上部消化管造影検査7日後に発症したバリウム虫垂炎の1例 第293回東海外科学会 2017 岩井周作
切除後11年目に局所再発を来した直腸sm癌の1例 第294回東海外科学会 2017 中澤幸久
術前に診断しえた卵黄腸管遣残による腸閉塞の1例 第294回東海外科学会 2017 岩井周作
潰瘍性大腸炎にともなうColitic Cancerを自己判断で放置,穿孔に至った1例 第72回日本大腸肛門病学会 2017 中澤幸久
当院におけるHER2陽性胃癌の治療成績 第79回日本臨床外科学会 2017 中澤幸久
ALTA併用痔核根治術における術後出血の検討 第79回日本臨床外科学会 2017 池田耕介
術前診断に難渋したgroove膵癌の1例 第79回日本臨床外科学会 2017 岩井周作

著書

食道浸潤を伴う胃癌の切除限界について 外科診療 1978 原 春久
再発胃癌・大腸癌に対する外科治療 民医連医療 1982 原 春久
緊急施術を行った大腸癌症例の検討 民医連医療 1985 原 春久
透視を行わないTotal colonoscopyの試み 医学医療誌 1987 原 春久
Sm大腸癌の検討 主にSm直腸癌の術式について 医学医療誌 1988 原 春久
左大腸癌イレウスに対する大腸ファイバースコープを用いた減圧チューブ挿入法の経験 日臨外会誌 1990 原 春久
交通事故による胸部腹部外傷 民医連医療 1991 原 春久
下部直腸癌に対する低位前方切除術の適応について 日本大腸肛門病会誌 1991 原 春久
長期生存した直腸肛門部悪性黒色腫の1例 日消外会誌 1992 原 春久
当院における配布型カルテ開示の実際 臨床外科 2000 原 春久
医療情報開示の実際 一般病院として クリニシアン 2001 原 春久
しくみの変革 カルテ開示が医療を変える クリニシアン 2004 原 春久
癌患者と医療情報の共有 明日の臨床 2005 原 春久
肝転移と左右副腎転移を切除しえた胃小細胞癌の1例 手術 2005 中澤幸久
苦痛のない内視鏡検査をめざして―細径スコープによる経鼻上部消化管内視鏡検査の実際 明日の臨床 2005 中澤幸久
盲腸原発MALTリンパ腫の2切除例 日本大腸肛門病会誌 2008 中澤幸久
コメディカルのための経鼻内視鏡ハンドブック 日経メディカル開発 2008 中澤幸久(共著者)
腎細胞癌胆嚢転移の1例 日臨外会誌 2016 池田耕介
腹腔鏡下幽門側胃切除術4年後に発症した早期胃癌 大腸転移の1例 癌と化学療法 2016 池田耕介
腹腔鏡補助下胃全摘術2年後に骨盤内に発生したデスモイド腫瘍の1例 日外科系連会誌 2018 池田耕介

施設認定

日本外科学会 外科専門医制度関連施設

日本消化器外科学会 専門医制度指定修練施設

日本がん治療認定医機構 認定研修施設