概要
医師の指示のもと、検体部門では患者さんから採取された血液や尿などを検査し、生理検査部門では心電図、肺機能、エコー検査等を実施して、病気の診断や治療方針、経過の参考となるデータを提供します。
特徴
迅速かつ正確な検査データを提供する専門性の高い検査、患者さんに安心と信頼のある検査を受けていただけることを目標としています。
スタッフ紹介
臨床検査技師:正職員12名+嘱託職員2名
超音波検査士:消化器4名、循環器3名、泌尿器1名
細胞検査士:2名
認定心電図技師:1名
緊急臨床検査士:1名
有機溶剤作業主任者:3名
場所・検査内容
検査科は病院2階西側(病院中央入口からエスカレーターを上がって右)にあります。
検体検査
採血された血液や尿検査などを主に検査を行っています。
- 血液検査
血液中にある酵素、脂質、タンパク質、糖質、電解質などの化学物質や腫瘍マーカーなどを測定し、肝臓・腎臓・心臓などの病気の予防、診断、治療の効果がわかります。 - 尿検査
採取された尿で、身体の状態(糖尿病、腎疾患、肝疾患など)を検査することが出来ます。
上記の以外に、輸血検査、髄液、関節液、精液、便検査などの検査も行っています。
生理検査
検査機器を用いて患者さんの生理機能を測定する検査を行っています。
- 心電図
心臓の拍動に伴って生じる電気活動を体表から記録します。不整脈の有無、虚血(狭心症、心筋梗塞)、心臓肥大などを調べます。 - ホルター心電図
携帯用の心電計を24時間つけて、時々しか出ない脈の乱れや、狭心症などの胸の痛みがある時でないとわからない心電図の変化を記録します。機械をつけたまま帰って、翌日取りはずしのため来院していただきます。1日目は取り付けに10分、2日目は取り外しに5分ほどかかります。 - 肺機能検査
息を吸ったり吐いたりできる空気の量や息を吐き出す速さなどを測定します。そのためには検査を受けていただく方のご協力と努力が必要です。また、肺疾患の診断や手術時の麻酔の量の決定にも用いられます。 - 腹部エコー
超音波を使って腹部臓器の大きさ、形態異常、腫瘍の有無などを調べる目的で行います。主な観察部位は肝臓、腎臓、膵臓、胆嚢などです。ベッドに横になっていただき、お腹にゼリ-を塗り、プローブ(エコーの機械)をあてて検査します。
下腹部(膀胱・前立腺・子宮)も見るため、検査直前の排尿は出来るだけ我慢してある程度尿をためておいてください。検査時間は20分ほどで終わります。 - 心エコー
超音波を使って心臓の構造的な異常はないか、弁膜症があるかないか、心臓の機能はどの程度かなどを調べます。ベッドに横になり胸にプロ-ブ(エコ-の機械)をあて心臓の中を見ます。検査時間は20分~30分で終わります。 - その他エコー検査
甲状腺、乳腺、頚部、下肢血管(静脈、動脈)経食道エコーなども検査しています。 - 終夜睡眠ポリソムノグラフィー(PSG)
夜間の睡眠の深さ、呼吸の状態を調べるため、脳波、目の動き、胸や腹の呼吸による動き、鼻と口の空気の流れ、血液中の酸素濃度等を記録し睡眠時無呼吸症候群の診断や重症度の判定に用います。検査当日の18時頃入院していただき、19時過ぎに1時間ほどかけて機械を装着し一晩寝てもらい、翌朝退院となります。 - 脳波検査
脳の中でおこっている電気活動を脳波計で記録し、脳の障害の診断や治療に役立てるための検査です。主にてんかんなどの発作性意識障害の鑑別、脳血管障害、中枢神経系の異常を疑う場合、薬物等による中毒やそれらに伴う意識障害のときに検査を行います。
頭部に電極をつけて(痛みはありません)横になり、安静・閉眼・覚醒状態で記録します。必要に応じて眼の開閉、光の点滅刺激、早く大きな呼吸の繰り返しを行いながら記録することがあります。検査中は眠っていただいても結構です。検査時間は1時間ほどで終わります。 - 神経伝導速度検査
手や足の末梢神経に電気的刺激を与え、反応する筋肉の変化を機械でとらえることにより、その神経の刺激を伝える速さや、筋肉そのものが活動している時の電気的な変化を調べます。検査時間は神経の数によって異なりますが30分~1時間ほどです。 - 語音聴力検査(スピーチ)
言葉の聞こえ方を調べる検査です。補聴器の適合を調べるためにも行います。聞こえた言葉を文字で紙に書いてもらいます。検査時間は45分ほどです。 - その他耳鼻科検査
標準聴力検査、内耳機能検査、聴性脳幹反応(ABR)、重心動揺検査 - 動脈硬化、血流の検査
ABI/TBI(血圧脈波検査)、SPP(皮膚再灌流圧検査)
病理検査
採取された組織・細胞を顕微鏡で調べ、病気の診断を行います。


- 病理組織検査
内視鏡などで採取された生検組織や手術で摘出された臓器の標本を作製し、病理医が顕微鏡でその標本を観察して病理診断を行います。 - 術中迅速検査
手術中に採取された組織を凍結して標本を作製し、病理医が直ちに診断を行います。リンパ節転移の有無、切除断端での腫瘍の有無などを診断し、手術の切除範囲の決定にも用いられます。 - 細胞診検査
子宮頚部・体部、尿、喀痰、穿刺液など、さまざまな検体から細胞を回収して標本を作製し、主にがん細胞の有無を調べます。専門資格を有する臨床検査技師(細胞検査士)が異型細胞を探し、最終的に病理医(細胞診専門医)が診断を行います。 - 病理解剖
不幸にして亡くなられた方の、病気の状態や治療効果、死因などを判断することを目的に、病理解剖を行うことがあります。解剖はご遺族の承諾後に行われ、今後の治療および診断の向上に役立てられていきます。
細菌検査
細菌培養検査は外部に委託しておりますが、結核菌の迅速診断の抗酸菌染色などを院内で行っています。また、感染制御チーム(ICT)や抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の一員として、感染対策、抗菌薬適正使用の推進をメンバーとともに行っています。
検査実績
超音波検査 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|
腹部エコー | 3,276件 | 2,981件 |
心エコー | 2,431件 | 2,609件 |
その他エコー | 1,013件 | 1,094件 |
経食道エコー | 10件 | 8件 |
その他生理検査 | 2022年 | 2023年 |
PSG | 39件 | 35件 |
脳波 | 171件 | 157件 |
神経伝導速度 | 237件 | 224件 |
ホルター心電図 | 568件 | 577件 |
ABI | 1,009件 | 817件 |
※コロナの影響によりPSGは例年と比べ件数減少しています。例年は60件前後です。
病理検査 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|
病理組織検査 | 2,921件 | 2,899件 |
術中迅速検査 | 10件 | 19件 |
細胞診検査 | 2,571件 | 2,096件 |
病理解剖 | 11件 | 3件 |