診療科・部門案内メイルリプロダクション科(男性不妊外来)

メイルリプロダクション科(男性不妊外来)

当科の概要

  • 当院では2002年5月より男性不妊外来を開設
  • 外来診療とともに無精子症をはじめとする男性不妊に対する手術療法を行っています。

診療体制表

10月31日現在 体制案内

午前の診療の受付時間:8:00~11:00

診療は完全予約制です。事前に泌尿器科外来まで、お電話でお問い合わせをお願いします。
お問い合わせの受付時間は、平日14時から16時です。

  
午前予約制[特診]日比(7.14.28日)[特診]日比(9.16.30日)
夜間予約制 [特診]日比(13.20.27日)  

→はじめてかかる方は『外来受診される方(診察の流れ)』へ

診療は完全予約制です。事前に泌尿器科外来まで、お電話でお問い合わせをお願いします。お問い合わせの受付時間は、平日14時から16時です。

当科の特徴

生殖専門医による質の高い医療

男性不妊外来を専門で行っている施設は非常に少ないのですが、当院では2002年5月より男性不妊外来を開設、外来診療とともに無精子症をはじめとする男性不妊に対する手術療法を行ってきました。この度泌尿器科とは全く独立、メイルリプロダクション科として専門外来を行います。主に男性因子の不妊症患者を扱うところで、内科等の一般的な診療と同じように問診、触診、超音波検査などを行いますが、最も重要な検査は精液検査です。以前は女性が不妊の病院やクリニックを受診され、後から男性が受診するケースがほとんどでしたが、最近ではご夫婦で受診される事も増えてきました。奥様の情報も非常に重要ですので、可能な限りお二人での受診をお願いしています。

診療内容

男性不妊

不妊症と言えば、日本では昔から慣習的に主に女性に問題があると考えられていていました。子供ができないことが原因で女性は苦しい立場に立たされていました。しかし不妊の原因を男女別で見ると、女性だけに原因があるのは41%と言われており、男性だけに原因があるのは24%、男女共に原因があるとされるのは24%と、男性に原因があるのは約半数であることは、1990年代より分かっています。男性側になんらかの異常がある場合を男性不妊といいます。

●手術療法

  • 顕微鏡下精路再建術(顕微鏡下精管精管吻合術、顕微鏡下精巣上体精管吻合術)
  • 顕微鏡下精索静脈瘤根治術
  • 顕微鏡下精子採取術(MESA ・TESE・micro-TESE・ReVSA)

→精子採取術は、1992年より顕微鏡下精巣上体精子採取術(MESA)を行っています。精子採取術と言えば精巣を切開する手術(TESE)が一般的、と医師も誤って説明することが多いのですが、当院では閉塞性無精子症においては闇雲に精巣を切開することなく、MESAを行っています。2023年2月オランダのEliveldらが閉塞性無精子症に対してTESEを行った場合、生涯的に男性ホルモンへの影響があったと報告しており、その適応に対しては慎重になるべきと考えています。一方非閉塞性無精子症に対しては1999年よりスタンダート手術となっているmicro-TESEを行っています。また射精障害に対してもTESEしか行っていない施設がほとんどですが、精巣を切ることなく精管より精子採取するReVSA *で行っています。(*Hibi, et al. Reprod Med Bio 2008;7:115)

医師の紹介

認定資格

日本専門医機構認定泌尿器科専門医・指導医
日本生殖医学会 生殖専門医
麻酔科標榜医

ひとこと

不妊治療は時間との勝負です。外来受診をしやすいよう夜間診療や土曜日診療も行なっていますので、是非ご相談ください。

診療実績

2019202020212022
新患患者数201182182152
精子採取術などの男性不妊症に対する手術件数57605158

学術活動

2019年~2023年の一部

学会発表 2019年

  1. 2019年4月20日 第107回日本泌尿器科学会総会 名古屋
    アモキサピン投与で妊娠・挙児を得た射精障害例の検討
  2. 2019年6月15日 第41回 中部日本生殖医学会学術集会 長久手
    男性不妊症に対する血清亜鉛濃度の評価-第一報-
  3. 2019年6月23日~26日 2019 欧州ヒト生殖医学会 ウィーン
    Male infertility treatment for cancer survivors: Do anticancer agents affect infertility treatment?
  4. 2019年8月1日 第37回日本受精着床学会 東京
    ブライダルチェックで当院男性不妊外来を紹介された症例の検討
  5. 2019年10月24日 第57回日本癌治療学会 福岡
    Sperm retrieval surgery in male infertility cancer survivors.
  6. 2019年11月7日 第64回 日本生殖医学会総会 神戸
    顕微鏡下精路再建術;当院での17年間の成績
  7. 2019年11月7日 第64回 日本生殖医学会総会 神戸
    機能的単精巣にonco-TESEを行った進行性精巣がんの一例

学会発表 2020年

  1. 2020年7月6日 2020 欧州ヒト生殖医学会 Web開催
    Sperm retrieval surgery in male infertility cancer survivors.
  2. 2020年10月1日 第38回日本受精着床学会 Web開催
    第2子不妊に対する手術療法の検討
  3. 2020年10月22日 第58回日本癌治療学会 京都
    Cancer treatment may not affect successful sperm retrieval surgery for cancer survivors with male infertility.
  4. 2020年12月3日 第65回日本生殖医学会総会 東京
    クラインフェルター症候群における血清亜鉛濃度の検討
  5. 2020年12月22日 第108回日本泌尿器科学会総会 神戸
    当院男性不妊外来における血清亜鉛濃度の評価

学会発表 2021年

  1. 2021年6月19日 第42回中部日本生殖医学会学術集会 岐阜
    精巣上体に嚢胞性病変を有する単精巣症例に対して、精管精巣上体吻合術を施行した一例
  2. 2021年6月19日 第42回中部日本生殖医学会学術集会 岐阜
    男性型脱毛症治療中に第2子不妊をきたした症例.
  3. 2021年7月15日 第39回日本受精着床学会 神戸
    AZF欠失症例に対する不妊治療成績
  4. 2021年10月21日 第59回日本癌治療学会 横浜
    Evaluation of serum zinc concentration in the male infertility of cancer survivors.
  5. 2021年11月12日 第66回日本生殖医学会総会 米子
    男性不妊外来における血清亜鉛濃度-2010例の解析-
  6. 2021年11月12日 第66回日本生殖医学会総会 米子
    FSH単独欠損症に対し、hMG製剤を使用し精液所見が改善した1例
  7. 2021年12月9日 第109回日本泌尿器科学会総会 横浜
    非閉塞性無精子症に対するmicro-TESE時に腫瘍核出術を行ったLeydig細胞腫の4例
  8. 2021年12月9日 第109回日本泌尿器科学会総会 横浜
    男性低ゴナドトロピン性性腺機能低下症(MHH)に対する当院での治療経験

学会発表 2022年

  1. 2022年7月9日 第43回中部日本生殖医学会学術集会 松本
    当院男性不妊外来における脂質異常の検討
  2. 2022年7月9日 第43回中部日本生殖医学会学術集会 松本
    男性性ゴナドトロピン性腺機能低下症に対する当院での治療経験
  3. 2022年7月28日 第40回日本受精着床学会 東京
    閉塞性無精子症ではMESAを選択すべき
  4. 2022年10月7日 第44回日本臨床栄養学会 盛岡
    男性不妊症に対する血清亜鉛濃度の評価;2313例の解析-
  5. 2022年10月20日 第60回日本癌治療学会 神戸
    Male infertility in cancer survivors who underwent hematopoietic stem cell transplantation.
  6. 2022年10月27日 第87回日本泌尿器科学会東部総会 軽井沢
    第二子希望の男性不妊;無精子症がこんなに多い
  7. 2022年11月3日 第67回日本生殖医学会総会 横浜
    Cryptozoospermia; 射出精子か精子採取術か
  8. 2022年11月3日 第67回日本生殖医学会総会 横浜
    Proximal AZFc欠失患者に対してmicroTESEを施行した一例.

学会発表 2023年

  1. 2023月4月20日 第110回日本泌尿器科学会総会 神戸
    A review of adolescent varicocele at our hospital
  2. 2023年6月25日 2023 欧州ヒト生殖医学会 コペンハーゲン
    Obstructive azoospermia; MESA should be employed as the method for sperm retrieval, not TESE.
  3. 2023年9月11日 2023 欧州栄養学会 リヨン
    Are serum zinc concentrations important for male infertility? -an analysis over 4000 male infertility cases-.

学術講演

  1. 2021年7月8日 ながくて泌尿器科WEBセミナー 長久手市文化の家
    男性不妊の外科的治療
  2. 2022年5月21日 第9回三河地区産婦人科フォーラム 豊橋
    男性不妊の診断と治療

著書

  1. Hibi H, Yamashita K, Sumitomo M, Asada M. Leydig cell tumor of the testis, presenting with azoospermia. Reprod Med Biol 2017; 16: 392-395. DOI: 10.1002/rmb2.12046
  2. Hibi H, Sumitomo M, Fukunaga N, Sonohara M, Asada Y. Superior clinical pregnancy rates after microsurgical epididymal sperm aspiration (MESA). Reprod Med Biol 2018; 17: 59-63 DOI: 10.1002/rmb2.12069
  3. 日比初紀、大堀賢 片側精管欠損症、対側精巣腫瘍を有する矮小精巣の無精子症症例に対して、腫瘍側精巣摘除に引き続き、精管欠損側精巣上体と矮小精巣側精管を吻合(交叉性精巣上体精管吻合術)した1例 日本受精着床学会誌 37(1): 89-92. 2020.
  4. Hibi H, Sugie M, Ohori T, Sonohara M, Fukunaga N, and Asada Y. Microsurgical seminal reconstruction; our experiences in a single institute. Nagoya J Med Sci. 2020; 82: 477-485. DOI:10.18999/nagjms.82.3.477.
  5. Hibi H, Sugie M, Ohori T, Sonohara M, Fukunaga N, and Asada Y. Male infertility treatment for cancer survivors: does anticancer treatment affect infertility treatment? Nagoya J Med Sci. 2020; 82: 677 – 684. DOI:10.18999/nagjms.82.4.677.
  6. Hibi H, Sugie M, Ohori T, and Asada Y. A case of abdominal migration of the testes presenting with azoospermia. Nagoya J Med Sci. 2021; 83, 195-199. doi: 10.18999/nagjms. 83.1.195
  7. Hibi H, Sugie M, Ohori T, Sonohara M, Fukunaga N, and Asada Y. Secondary male infertility: the importance of the urological assessment for couples who desire children in later life. Nagoya J Med Sci. 2022; 84, 133-138. doi: 10.18999/nagjms. 84.1.133
  8. Hibi H, Tokoro M, Sugie M, Ohori T, Sonohara M, Fukunaga N, and AsadaY. Evaluation of the serum zinc concentration in male infertility patients: an analysis of 2010 cases. Nagoya J Med Sci. 2022; 84, 839-847. doi: 10.18999/nagjms. 84.4.839
  9. Hibi H. Comment to our article; Effects of varicocelectomy on testis volume and semen parameters in adolescents: a randomized prospective study. Nagoya J. Med. Sci. 2023; 85, 10-12. doi:10.18999/nagjms.85.1.10.
  10. Sugie M, Hibi H. A case of suspected isolated follicle-stimulating hormone (FSH) deficiency where spermatogenesis aas acquired by human menopausal gonadotropin (hMG). Cureus. 2023; 15(3):e36182. doi:10.7759/cureus.36182
  11. Hibi H, Sugie M, Sonohara M, Fukunaga N, Asada Y. Infertility treatment for patients having a microdeletion of azoospermic factor (AZF). Nagoya J Med Sci. 2023; 85: 233-240. Doi:10.18999/nagjms.85.2.233.

分担執筆

  1. 日比初紀 男性不妊症精管造影
    エキスパートによる生殖領域の外科的手法 柴原浩章編著 中外医学社 pp238-241. 2020.
  2. 日比初紀 顕微鏡下精管精巣上体吻合術
    Urologic Surgery Next No.8「陰茎・陰嚢,アンドロロジーの手術」 メジカルビュー社 2020